今回は変形性関節症(OA)について書いていきます。
みなさんはOAについてどのくらい知っていますか?
Q.OAとは?
-A.肩・肘・足・膝・股関節などの曲がる関節の変形症のことで
関節を構成している骨がスムーズに動くように骨の表面部分に見られる関節軟骨という組織が変形してしまう事です。関節軟骨のすり減り、骨棘形成(関節面に形成される異常なトゲ状の骨)、関節間隙の狭小化などによって痛みや関節の腫脹、関節の変形を生じます。
Q.関節ってどのようになってる?
-A.関節を構成する骨があり、その骨の接する部分を関節包(かんせつほう)という袋が包んでいます。袋の中は滑液(かつえき)と言われ液体で満たされ袋内の圧を一定にすることで衝撃などを吸収する役割を持っています。関節が腫れる(膝関節に水がたまる状態)はケガや炎症によって袋内の液体の量が増えることによって引きおこります。靭帯や筋肉は袋の周囲を補強することによって関節を保護しています。
肩関節については関節の安定性の大部分を筋肉が担っているため、特に関節周囲の筋肉強化がポイントとなりやすいです。
Q.関節軟骨はすごい?
-A.少し書きましが、関節の骨同士が接するところにある特殊な軟骨なんですが、摩擦係数がとても少なくとてもつるつるした組織で構成されています。
これによって骨がもう一方の骨の上を滑り関節が動くように出来ています。
関節軟骨が傷つくと異なる滑りの悪い組織で修復されるため、動かしずらくなったり痛みが出やすくなります。
Q.原因はなに?
-A.多くは加齢による退行変性(組織がぜい弱化したり、違う性質の組織になってしまう)によるものです。その他に肥満やアライメント異常(骨の生理的位置関係の乱れ)、外傷(靭帯損傷、関節内組織損傷、関節内骨折)、血行が悪くなり組織壊死によって引き起こされることもあります。
変形性の膝関節は内側が原因となることが多く、変形しO脚の方がよく見られます。
※O脚とは足をそろえて立った際に膝と膝の間が通常よりも空いてしまう状態です。
Q.OAによる痛みとは?
●動作の開始時(立ち上がる際)
●運動痛
●階段の上り下り(特に降りる際)
●気温の寒冷、湿気に多い時期に症状が強くなることがあります
上記すべてが見られるわけではなくこのような動作の時に痛みを発現することが多い程度と考えてください。
Q.どうすればいいのか?
-A.痛みの原因を特定し、痛みの軽減に働くような施術をします。
アライメントの異常が原因ならば正しい位置関係を保てるように矯正をしたり、関節間隙の狭小化が原因ならば痛みの出ないようにポイントとなる筋肉を緩めたりします。
変形してしまったものは正常の関節に復元させることは困難なので、OAにならない・悪化させないが非常に重要になります。